課長の溺愛に付いていけません
ある日。

私と課長と橋本君で、外回りをする事があった。

と言っても、飛び込み営業ではなく、ただの取引先への挨拶周り。

気が楽だ。


「おまえら、気を抜くなよ。対応一つで、取引先を失う事だってあるんだからな。」

課長は、やる気満々。

そして私が気を抜いているのも、難なくお見通し。


それにしても、今日は季節外れの熱さで、疲れてくる。

さっきまで、クーラーがきいていたオフィスにいたから、尚更余計だ。

「大丈夫か?森。」

「はい。」

「無理するなよ。」

いつもの課長の、キラースマイル。

こんな時に、うちの会社の女子達がいたら、キャーキャー騒ぐのかな。


「俺、一つ気になる事があるんだけど。」

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