課長の溺愛に付いていけません
「おはよう、森。」

朝から私の側で、響き渡る爽やかな声。

この声の持ち主は、私が所属する2課の課長・池田正孝 35歳。

ちなみに、この人が私の悩みの種である。


「おはようございます、課長。」

そんな課長を無視して、自分の席に座るのが、私。

トレードマークは、黒髪のストレート。

森 姫花 23歳。


池田課長との出会いは、新入社員としての研修を終え、目出度くこの2課に配属になった時。

どうやら私は、池田課長の逆鱗に……いえ溺愛に触れてしまったらしい。


「なあ、森。昨日渡した原稿、まとめ終わったか?」

「半分は終わりました。残りの半分は、今日中にまとめます。」

すると池田課長は、私の肩を叩いた。

「無理するなよ。」




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