課長の溺愛に付いていけません
どこから皆、そんな情報を聞きつけるのか。

それよりも、その噂が本当なら、課長があんな顔するのも、当然かも。


「よお!池田。久しぶりだな。」

歳もイケメン度も、スタイルも声も、1ポイント上回っている阿部課長の方が、先制攻撃で課長に声を掛けた。

「お久ぶりです。いやあ、相変わらずデカい手ですね。」

「はははっ!人のコンプレックス、サラッと言うところ、変わってないな。」

二人の間に、花火が散っているのは、私の見間違いなんだろうか。


とにかく、こんな争いに巻き込まれたくない。

今は、課長の下で働いているけれど、別に課長派って訳じゃないし。


「ところで、まだ結婚できてないんですか?阿部課長。」

「おまえね。俺には、ファンの子が沢山いて、一人に絞れないんだよ!」

ほらね。

まだいい大人が、言い合っている。




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