課長の溺愛に付いていけません
そんな阿部課長は、池田課長とは全く方向性の違う人だった。

池田課長はどちらかと言うと、皆を引っ張っていく、リーダータイプ。

それに比べて阿部課長は、自分が先頭に立って、何でもやっていく2枚目タイプだった。

それなのに、休憩時間は皆を笑わせるから、たちまち人脈とかできちゃって、阿部課長の周りには、手足になって働きたい部下がいっぱいだった。


「姫は、付いていくならどっち?」

ふいに橋本君が聞いてきた。

「何が?」

「池田課長か、阿部課長か。みんなで、話のタネにしてるんだよ。」

男子って、そう言う事で盛り上がるな~。

「決まってるでしょ。今は、池田課長です。阿部課長は、隣の課でしょう?」

「ちぇっ!つまんない答えだな。」


< 33 / 57 >

この作品をシェア

pagetop