終点は異世界でした。



これは、まずいのではないか?


迷い込んできただけの人間に、宿まで提供して汽車にも乗せて、おまけに花を買うなど。


お金を返せるのなら全然いいのだが、残念ながらこちらの世界のお金は持ち合わせていない。



「アルス、その、お金って……」


「ん?大丈夫だよ、気を使わなくても。俺働いてる身だし。こんな体験もできないんだからさ、少しぐらいお金使わせてよ」



ごめんなさい、とその言葉が喉につっかえるがごくりと飲み込んだ。


気を使わせてはいけない、ここは別の言葉がふさわしい。



「その……ありがとうございます」


「うん。俺もそう言ってもらえて嬉しい」



そうこうしてるとお姉さんが先程の花をラッピングして……って、あれ?






< 30 / 94 >

この作品をシェア

pagetop