冷たい部長の甘い素顔

「ごめん…
爽を見てると、抑えが効かなくて…」

将軍さんは、バツが悪そうに頭をかく。

「先にシャワー浴びていいよ。」

そう言われても、手近に着る物がない…

昨夜、将軍さんに剥ぎ取られた衣類は、部屋のあちこちに散乱していた。

「いえ、将軍さんがお先にどうぞ。」

そう言うと、将軍さんはくすっと笑った。

「一緒に入る?」

私は、思いっきりかぶりを振る。

それを見て、将軍さんは

「くくっ」

と笑うと、

「じゃあ、先に行くね。」

と布団を出て行った。

私は、慌てて、落ちている衣類をかき集める。

クローゼットにはめ込まれた鏡に映る私の体には、赤く咲いた愛の花がいくつも残されていた。

私は、それを隠すように、慌てて服を身に着ける。

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