LOVE DAYS
「で、お前は何にするの?」
財布の中の小銭をあさっているあたしに、晴馬君は「選べば?」なんて、もう既に小銭を入れていた。
「え、あたしのお礼…」
「おせーよお前。小銭探すのにどんだけ時間かかってんだよ」
「だって、」
「いいから選べって」
「いいの?」
「あぁ」
「ありがとう。じゃレモンティーで」
「はいよ」
レモンティーを渡され、晴馬君の手を見ると珈琲が握られている。
プルタブを開けゴクゴクと喉に流し込んでいく晴馬君に、あたしは見上げてしまった。
「ブラック珈琲、苦くないの?」
「全然」
「ふーん…凄いね」
「別に凄くねぇだろ」
「だってあたし飲めないもん」
「萌はお子ちゃまだからな」
「ひどっ!ねぇ、ところで晴馬君って身長いくつ?」
見上げる晴馬君はやっぱり高い。
前から思ってたけど、すごく高い。
「んー…181かな。なんで?」
「凄く高いなって思ったから」
「で、萌ちんは?」
「あ、えーっと…162かな」
「はぁ!?嘘つけ。お前160もないだろーが」
「はい。そうでした157くらいです…」
「どんだけサバよんでんだよ。つかサバよむ必要ある?」
「だって芹奈ちゃんも麻友ちゃんも背高いから羨ましいの。芹奈ちゃんなんて166くらいあるんだよ?麻友ちゃんだって164はあるし」
「だから何?」
「だからそこが素敵なんだよ。スタイルいいしカッコいいでしょ?」
「じゃ、乳製品でもいっぱいとれば?そしたら胸もでかくなんじゃねーの?」
「はっ、はぁ!?なに?なんなの晴馬君!?あたしの胸、見た事ないでしょ!?」
訳の分からない事を言う晴馬君に思わず声を張り叫んでしまった。
こんなに頭に血が上りそうなのに晴馬君は至って平然としてて。