姉さんの先輩は狼男 孝の苦労事件簿③
「――ごめんね、さっき我がまま言っちゃって」
不意に視界に入って来た銀髪に、
小夜子ははっと身を固くした。
「月代先輩……」
小夜子はカゴを持つ手を変えて、
悠然とした笑みを湛える月代を見やった。
「ごめんね、どうしても肉って思うと止まんなくってさ」
「いえ、好みは人それぞれでしょうし……」
小夜子は微笑み返しながらも、
背中に嫌な汗をかいているのに気付いた。
(さっきみたいな勢いで、あなたは同い年くらいの女性を、
喰い殺したりもするのかしら……?)