姉さんの先輩は狼男 孝の苦労事件簿③
 


長い間、手入れのされていない墓石は、朽ちかけてみえる。

この墓地には、そんな墓石が他にもたくさんあった。

訪ねる者がすっかり絶えた、無縁仏も多いのだろう。


「だからここなら、きっと寂しくないよね……?」
 

エリアルは、墓石を指で撫でると、


「じゃあね。

……ダリウス……



『父さん』」
 


その場所を、後にした。
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