姉さんの先輩は狼男 孝の苦労事件簿③



――ちがう。

喜咲なんて、所詮は利用していただけ……。

どうせ死んだところで、それまでだ。はは……。
 


笑おうと思った。

それなのに、笑えなかった。
 







「なぁ……俺は、どこで間違えたのかな……?」




答える者のいないまま、銀司は虚しく呟いた。


彼はふと、目的の場所に、ガソリンの匂いや、他の人間や、

そうでないものの匂いがたくさん現れた事に気が付いた。
 

つまり、喜咲のいる場所に、『テミス』が来たのだ。


「……殺してやる」

 
喜咲を傷付ける者は、許さない。

ましてやそれが、テミスとあっては……。
 


銀司は、間近に迫ったテミスの構成員達に、宣戦布告の雄叫びを上げた。



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