姉さんの先輩は狼男 孝の苦労事件簿③



「――そういえば、姉さ……えっと……


葉山小夜子は、無事かな……?」


切り出すと、鬼山は、


「ああ、……彼女、君のお姉さん? 


もちろん無事だよ。


脚の傷もちゃんと縫合したし、処置が早かったから化膿もしてな……」


「姉さん怪我したの? 縫うほど!」


「君に比べたら、断然軽傷さ。


……分かってるか? 


君、死にかけたんだぞ……」


「そんなの知らない……姉さんは、一体誰に……!」


「さっきの、似顔絵の男だ。


……エリアルが、ブチ切れてたな」
 

傍にいながら、姉さんに怪我をさせたこと……。



「もっとも、彼も血まみれだったけどな。


背中一面――深く抉れてて、充分にエネルギーの補給もしたし、


吸血鬼の再生力は高いから心配はないけど、相手も相当の手練れだって事だ……」


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