姉さんの先輩は狼男 孝の苦労事件簿③
「そう……だったんだ」
エリアルが引き分けにしか持ち込めなかった相手というのは、どんな奴なんだろう。
とても、あの似顔絵の優男とは思えない。
(まあ、エリアルもカテゴリ分けすれば、優男の部類に入るか……)
一瞬、黒ビキニでマッチョで、
ばっちりポージングを決めたエリアルを想像してしまい、気持ち悪くなってやめた。
「――あと……ここから先は、ちょっと深刻な話になるんだが……」
鬼山が、急に声のトーンを落とした。
「なに?」
「君は、『テミス』を辞めたいとは、思わないか……?」
「急に、何さ……」
しかし、鬼山の目は真剣そのものだった。
じっと見つめられすぎて、少々暑苦しい。