姉さんの先輩は狼男 孝の苦労事件簿③
「――君は、恨まないのかい?」
佐々木先生が、不思議そうに言った。
「恨むって、誰を?」
「気持ち悪くないのか?
だって、知らない間に、訳の分からない薬を盛られたのかもしれないんだよ」
「でも……結果として、それが無きゃ追い付かれて死んでたかもしれないから……」
正直、黙って何かされた事に良い気はしない。
でも、文句が言えるのも生きているからこそだ。
「あのさ……それより、お願いがあるんだけど」
俺は、頭だけを動かして佐々木先生を見た。
「何だい?」
「ほどいて」
覚醒したのに、拘束されっぱなしだったからだ。
「むぇ……」
佐々木先生が間抜けな声を出した。