姉さんの先輩は狼男 孝の苦労事件簿③



何故かエリアルが、優しく促した。

姉さんが、驚いている。

俺もちょっと、驚いている。
 
普段なら、絶対エリアルはここで、

「やだ、反対!小夜子が行くなら僕も行く!」

と駄々を捏ねるに決まっている。
 
その時、エリアルがちらりとおっちゃんを見た。

(ああ、そういう事……)
 
案外露骨なアピールだった。

(『僕は束縛系じゃありませんよ』ってか……。

いつまでもつかな……)



< 88 / 317 >

この作品をシェア

pagetop