姉さんの先輩は狼男 孝の苦労事件簿③
何故かエリアルが、優しく促した。
姉さんが、驚いている。
俺もちょっと、驚いている。
普段なら、絶対エリアルはここで、
「やだ、反対!小夜子が行くなら僕も行く!」
と駄々を捏ねるに決まっている。
その時、エリアルがちらりとおっちゃんを見た。
(ああ、そういう事……)
案外露骨なアピールだった。
(『僕は束縛系じゃありませんよ』ってか……。
いつまでもつかな……)