姉さんの先輩は狼男 孝の苦労事件簿③



「あ、じゃあ工場行った時に、何か買ってくるわ。

それでいい?」
 
姉さんがおろおろしながら提案したが、

「未成年って、酒類買っちゃいけないんじゃなかったっけ?」
 
俺が言うと、おっちゃんが、

「そんなん黙ってりゃ分かんねえよ」

と、悪い事を言った。

「まあ、いいや。気にしてないから」
 
エリアルは、何か言いたそうなのをぐっと堪えて、

笑顔を作った。

「えー、でも……」

「楽しんでおいでよ、小夜子」




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