白衣の王子様の恋愛感 【番外編12月7日up】
トゥルルル・・・という呼び出し音が3回鳴ったら、音が途切れて、ゆう君が電話に出た。

何も聞こえないはずの無音の機械音が、いつもより大きく耳に響く。



『・・・ノリ?』



いつもより低いゆう君の声に、私のテンションも更に下がる。

「・・・うん。今、ついたよ。」

『そうか。・・・送れなくて、悪かったなあ。』

「ぜんぜん大丈夫。・・・いろいろ、ありがとうね。すごく楽しかった。」

楽しかったのは本当のことで、決して社交辞令じゃない。

だから、声も少しだけ明るく出来た。



『・・・』

何も言わないゆう君にちょっと困る。

いつまでも黙っているのも、居心地が悪いし、電話代がかかるだけだ。

なんていったって国際電話中だ。

仕方が無い・・・自分の気持ちを立て直して、私なりに頑張って明るい声をだす。

いつもよりは元気が出ないけど。




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