吸血鬼と愉快な嫌忌者達。

これが、魔界。




遂に出発の日がやってきた。

この1週間は魔界の知識の復習と読書に費やした。

「夜月、元気でいなさいね。」

母が私に笑いかける。

どうやら父はお仕事でいない。
当たり前だけど、父だって音羽グループの人間だ。馬鹿だけど体術で父にかなう人はほぼ存在しないだろう。

「わかってる。向こうに行ったらハルバルトさんっていう人のところに行けばいいんだよね?」

「ええ。彼は魔界の幹部だから、失礼のないようにね。彼には貴女については私の娘ということしか伝えていないから気をつけて。」

「ん。じゃ、行くね。」

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