極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
そんな彼を見ていたら、もう以前感じていたような苦しさは感じなくなった。

「あっ、私そろそろ行かなきゃ!」

腕時計をチラリと見れば、十二時四十五分を回っている。

短い時間だったけど、朱莉に会えてよかった。

「じゃあ、またね!」

そう言って手を振ると、ふたりと別れて会社に戻る。

エレベーターを待ちながら早速出産祝いの品物をスマホで調べた。

ベビー服とか可愛い〜。

まだ気が早いけど見てるだけでも楽しいな。

「ひょっとして俺達の赤ちゃんの服見てる?」

不意に耳元で前園の声がして、危うくスマホを落としそうになった。

「もう、急に耳元で声かけないでよ。心臓に悪い」

こいつがいるだけでハラハラしてしまう。

ようやく来たエレベーターに乗りながら小声で前園に噛みつく。
< 109 / 285 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop