年下御曹司は初恋の君を離さない

 それこそ、高校生の頃が最後という可能性も出てくる。
 
「未来さん……一緒に行ってくれませんか?」
「っ!」

 そんな縋るような目で見られると、イヤだとは言えなくなってしまう。

 こういうとき、基本お節介焼きの自分としては辛くなってくる。断るなんていう選択肢はなくなってしまうからだ。
 はぁぁぁー、と大きくため息をついたあと、「時間はまだありますか?」と聞くと、友紀ちゃんは嬉しそうに頷いた。

「大丈夫。まだ時間はたっぷりある」
「では、少しだけ待っていてくれる? すぐに着替えるから」

 それだけ言うと私は急いで階段を上り、自室で着替えをし始める。

 だから、私は知らなかった。私がいなくなったリビングで、交わされていた会話の数々を。

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