年下御曹司は初恋の君を離さない
「キスだって、この前が初めてだったんですよ」
「嘘だ!」
私の口からスルッと飛び出した言葉に、友紀ちゃんは眉を顰める。
「本当ですよ」
彼の言葉には嘘は見当たらない。どうしても嘘であることを証明したくても、それはできなかった。
彼の表情を見ても、嘘をついているようにはとても見えない。
だが、これだけ格好よくて優しくて、そしてステータスも高い友紀ちゃんが……キスが初めてだったなんて未だに信じられない。
キスが初めてだということは、彼は、その……経験もないということだ。
いやいや、それはないでしょ。それはない、ない。
心の中で自分に言い聞かせてみたが、どうにも言うことを聞いてはくれない。
唖然として口をぽっかりと開けたままの私に、友紀ちゃんは真剣な面持ちで口説いてくる。
「早く俺だけの未来さんになって?」
耳に残る低くて甘い声。そして、至近距離からの熱い視線に私は目眩が起きそうだった。