年下御曹司は初恋の君を離さない
「未来!」
藤司さんの慌てた声が聞こえたが、私は呆然としたまま首を横に振るしかできなかった。
畠山さんは、藤司さんの首に腕を回してくっついたあと、彼の頬にキスをした。
「きちんとお聞きになったかしら? 久保さん。貴女のような男みたいな容姿じゃ、藤司さんは欲情しないんですって。ふふ、当たり前よねぇ。だって、貴女。見た目男みたいなんですもの」
何もかもが信じられなかった。信じたくなかった……!!
だけど、こんな状況下になっても私は藤司さんを信じていたかった。それなのに、彼はその後口を固く閉ざしているだけで、何も言ってはくれなかったのだ。
私が走り去ったときも、彼は何も言ってくれなかった。助けてくれなかった。
今までの彼のイメージが一気に崩れ去るのは、いとも簡単だ。
それが最後。彼のことを見たのも、彼の声を聞いたのも最後だったのだ。
サークルを辞め、彼と繋がるものはすべて消去した。
あれから七年……もう二度と会うことはないと思っていたのだが、運命というものはときに残酷である。