年下御曹司は初恋の君を離さない

「再び、未来はあの女に狙われる」
「っ!」
「自分の結婚相手にしようとしている男の側にいる女。それも、その女はいつぞやかの自分の恋のライバルだ。どう考えても何か仕掛けてくるだろう」
「だから……」

 藤司さんは、私に『小華和友紀と離れろ』と言い出したのだろう。そして、幾度に渡って私をメールで呼び出したのも……私は友紀ちゃんと付き合っているのではなく、藤司さんと付き合っていると見せかけるためだったのか。

 それに先ほどのキス、あれも写真を撮らせたのは畠山さんを油断させるためなのだろう。

 藤司さんに聞くと、バツが悪そうな表情をしたが小さく頷いた。やはり、この人は私を守ってくれるつもりで、あんな脅しをしていたのか。

「相変わらず不器用ですね」
「お前にだけは言われたくないな」

 車で私の実家に向かう途中、藤司さんはそう言って小さく笑った。
 いつものように実家の目の前に車を横付けしたあと、藤司さんは真剣な表情で私に言う。
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