年下御曹司は初恋の君を離さない
「畠山は未来を再び狙っている。その証拠に、先ほどお前のことを盗撮しようとする男がいた」
「……でも、どうしてそれが畠山さんの指示だって断言できるんですか?」
そこがどうも解せない。私を盗撮しようとしていた男に見覚えがあるのだろうか。
首を傾げる私に、藤司さんは小さく息を吐き出した。
「畠山の今のターゲットは小華和友紀だ」
「え?」
「あの女、今は結婚相手探しに躍起になっているとの噂だ。そこで、今輝かしい経歴を持つ小華和友紀を狙うことにしたらしい。せせらぎには、畠山の祖父である家元がよく足を運んでくる。少し前に、小華和友紀を狙っていると聞いた。だから間違いない」
断言する藤司さんを見て、昼間のことを思い出す。
友紀ちゃんのところに畠山さんの縁談が来ていた。ということは、藤司さんが言っていることは本当なのだと裏付けされたようなものだ。
藤司さんは、意を決したように私を見つめてきた。