年下御曹司は初恋の君を離さない
「まぁ、嬉しい。私のこと、知っていてくださったのですね?」
「ええ。縁談のお話を聞いたときに、貴女の写真を拝見いたしましたから」
「それだけで覚えていてくださっていたなんて……! 少しは期待していても……いいですか?」
豊満な胸を俺に押しつけるようにすり寄る彼女から離れて、俺はCAさんを呼ぶ。
「ブランケットをお借りしてもいいですか?」
「はい、今お持ちいたしますね」
話をいきなり中断され、すぐさま距離を置かれたことに腹を立てたのだろう。
畠山は苦い顔をしている。だが、俺と目が合うと、面白くない気持ちを隠してニッコリと笑った。全く、ご苦労様なことだ。
CAさんからブランケットを受け取ると、俺はそれを彼女に手渡した。
「どうぞ」
「え?」
驚いた顔をして目を丸くさせている畠山に、俺は上っ面にだけ笑顔を浮かべる。