年下御曹司は初恋の君を離さない
1


「あ! 友紀ちゃんからだ」

 ただいま夜の九時半。
 季節は冬から春へと変わろうとしている。

 毎日ぐずついた天気が続いているのだが、今日は奇跡的に晴れ間を見ることができた。

 疲れた身体で、傘を差して夜道を歩く。
 それは憂鬱で、イヤなものだ。だが、今日はそれを免れることができた。

 それだけで小さな喜びを味わっていたのだが、もっと良いことが一日の終わりに訪れたことに頬も緩む。
< 4 / 346 >

この作品をシェア

pagetop