翼の折れた鳥たちは


♪翼の折れた鳥たちは 声を潜めて泣きながら
いつか飛べると  高い空を見てもがいてる
翼の折れた鳥たちは 闇で孤独を感じても
光を探して 前に前に 歩いてく
飛べなくったって
決して 諦めない気持ちで


敦也くんのために作った歌は、いつの間にか自分自身への応援ソングになりつつある。


唄い終えた時、テラスから複数の拍手が鳴り響いた。

その拍手が止まらない。

「ありがとうございました」

私はその拍手に向かって、気が付いたら叫んでた。



ねぇ、敦也くん。

退院の時、この曲のタイトル聞かれたけれど答えてなかったね。


この曲、『翼の折れた鳥たちは』っていうんだよ。



翼が折れても、飛べなくっても、今日からの私は諦めないよ。

だって、明日の保証なんてどこにもないんだから。




向こうの空に一番星が瞬いていた―――


FIN
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