【冴えない貴方は御曹司!?】番外編も完結しました!
「フウフウしてお召し上がり下さい」

冴えない男とイケてる女

ある週末のことでした。

もうすぐ梅雨が明けるけれど、夏服をもう何着か調達したくて、お気に入りのショップが入っている、自宅から少し離れた大きなモールに、ひとりショッピングです。

学生時代やっとのことで取った運転免許を、時々行使しなきゃと最近買った車を運転して来ました。ドキドキでした、それはもう…。

私のお気に入りのそのショップは、派手さはないけれども、控えめな中にもキラッと光る何かがある、そんな服や小物なんかを扱っているのです。

さあ今回は何を試着しようかな、と色々物色していると、各務さんいらっしゃいませと、本当に清楚でお綺麗なお姉さんがそこにいました。

私の本名の各務(カガミ)で呼ぶこの方は、このショップの経営者兼デザイナーさんですが、毎回来る度に新しいデザインのものが並び、私の購買意欲を掻き立てるのがお上手な方でもあるのですが…ハハハハ。

《もう直ぐボーナスだから、良いよね》

私は大人しい性格で、自己主張をあまりしないためか、急に、買い物でもして鬱憤晴らしをしたくなる時があります。

そんな時はこのショップに来て、気に入ったものを片っ端から試着していきますが(この時点で殆ど鬱憤晴らしは出来ているのです)、勿論、全部買うわけではなくて、上下で2,3パターン買うことになります。

今日もそうなりそうですね。

いつも大人しめの色やデザインを選んでいたのですが、店長さんお薦めの薄い芥子色の薄手七分袖カーディガンと、カーキ色のちょっとだけ小さなフリルの付いた、ロングのノースリーブワンピースを合わせて着てみようと思っています。

このふたつは結構着回し出来そうなので、あと一着、紺色の五分袖サマーニットを購入しました。

ウキウキルンルンでショップバッグを提げて、あちこち歩いていたら疲れてしまって…カフェに入ることにしましょう。




< 14 / 69 >

この作品をシェア

pagetop