EXTACY WALL…
タイトル未編集

…20xx年 4月 11日。

俺はなんとか留年を回避し、無事進級。高校2年生になった。

「なぁ。りゅーうっ。」

そして俺の部屋をまるで自分の部屋かのようにくつろぎ倒すコイツ。
俺のベッドで呑気に漫画を読んでやがる。

コイツとは俺の幼馴染の小鳥遊 ちさ。
俺の通う高校の隣の名門お嬢様校で有名な女子校に通っている。
幼馴染といっても、保育園が同じでだっただけで、家も電車一駅分ほどの距離があるし、親もそんなに仲良くない。

じゃあなんでコイツがここにいるかって?


…そんなん俺が一番聞きてぇよ、

と思ったけど、割と居心地は悪くないし、コイツどの時間はなんだかんだで楽しくて好き。

好き、…?

ないないない。

「…ーい、おーい…」


コイツはない。コイツだけは。


「…、おーい?…なぁ、きいてる?」
『あ、あ、…おん、聞いてる、』
「もーアホ。死んだかと思ったわ笑」


こんな品でもないような事普通に言うコイツなんか…、


「…がな、…好きやねん!」



好き?



スキ??


SUKI???



『 はああ!?、好き!?!?』

気付けば俺は慌てふためき立ってて、

「な、へ…?、うん、このシーン可愛くて好きやねん」

気付けば目の前のコイツは俺の漫画を開いたまま目をまん丸にして俺を見ている。

『あ、あぁ…、かわ、ああ…そこな!、かわいいなぁ、あはははは、笑』


何やってんだ俺。
おい。アホ。何やってんだよ俺、

んああああ、死にたい、
気持ち悪いとか思われたよな、

俺、しっかりしろ、俺!!!!

「なにしてんの?笑」

またコイツのこの言葉で我に帰る。


どうやらコイツいわく、頭を抱え、やばいやばいと連呼していたらしい。

そして丁寧になんかキモいという言葉まで頂いた。

求めていない。うん。

…あ、スカート…。

捲れあがり、ほっそりとしてて少し肉がついている太腿が見え…っておい、なに見てんだ俺。

余計にキモがられるに決まってる。
どうした俺。可笑しいぞ。


なんで、なんでコイツばかり気にしてまうんだ、











あの頃はアホだった俺の話。

あの後、 "女の子 目で追ってしまう"でググって恋と気付いた。

時間はかかったけど、告白もちゃんとできた。

アホで不器用な俺なりに、
口下手で、何言ってるかわからんけど、そんな俺なりに思いをぶつけた。

私も好きやでって、返してくれた。


その日から幼馴染という関係がカレカノにかわった。

それと同時に呼び方もお前とか、コイツとかそんなぶっきらぼうな呼び方から、呼び捨てに変わった。


…今日から1週間後は5ヶ月の記念日。

2人で過ごした春と夏の思い出も携帯のフォルダを見ながらにやける。

前々から決めていた。5ヶ月たったら何かしよう、と。

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