朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】
「天科グループ現総帥(そうすい)の天科全(ぜん)のことだ。蒼たちが高校生のときは外部理事の一人だったんだけど、天科サンの教育方針に、こいつら初代の十三人が文句つけて喧嘩売って未だに揉めている」
「………はい?」
え、と……? 現総帥、ってつまりは天科グループのトップってことだよね?
私が理解し切れないでいると、蒼さんが説明してくれた。
「俺たちは、天科サン――天科全に意図的に一つのクラスに集められた。その理由にみんな納得がいかなかったから、なら天科サンが決めた道とは別の道で、天科サンが目論んだ結果を出してやる、となった。それが原因で、初代とか言われ始めてしまったんだけどな」
「………」
意図的に集められたクラス――?
「それが……初代って言われる方、のことですか……?」
桜学のPクラス。
進学校の特進科よりもレベルが高いと言われる特別クラス。
勉強が苦手な私でも知っているくらい有名だ。
「――Professional Class、って意味で天科サンはそこに蒼たちを集めたらしい」
プロフェッショナル、クラス……。
……流夜くん、やたら発音いいな。