朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】
「まあ、学生が教育方針で経営側に喧嘩売るなよって話だな」
……教育方針で理事と揉めたって……。
「ど、どういう高校生なんですか……?」
私が驚くと、蒼さんは投げやりに言った。
「まー愉快なガキ共だったんだな」
「お前ら今でも変わんねーだろ」
「しょうがない。そういう奴ら、天科サンは集めたんだから」
はあ、とため息を吐く蒼さん。
なんか……初代の十三人――今では桜学の名ももじって『十三桜』って呼ばれているんだけど、十三桜の高校生の頃のお話とか訊いてみたい……。
「あの、皆さんってどんな高校生だったんですか?」
私が訊くと、蒼さんは流夜くんを睨んだ。
「ほら見ろ流夜。興味持たれちまったじゃねえか」
「お前じゃない。十三にだ」
あ、ダメ、だったかな?
「すみません、出過ぎたことを――」
「俺らはなあ、バラバラだった」
「え……ばらばら?」
と言うか、話してくれるんだ?
気分を害してしまったかと思ったんだけど……。