朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】
「ん? そと、って?」
流夜くんがまた変なことを言っていた。
訊いてみると、流夜くんは「ああ」と返してきた。
「斎月、俺とは専門が違うんだ。俺が殺人(コロシ)で、こいつは対組織犯罪。組織犯罪はあまり一国では収まりきらないからな。だからさっさとヨーロッパだろうが海の底だろうが行って来いつってんだ」
「私はトレジャーハンターじゃないよ。それに、どんだけ流夜兄さんに貸しあると思ってるの」
「お互いサマだろが。お前の手助けもしてやってるつもりなんだけど?」
「それは恩義感じてますが。だからさっさと話しておけばよかったのに」
「けどお前の恐怖症があんだろ。咲桜のこと怖がられたらいやだから言えなかった
んだけど? ……そういや普通に話してるけど大丈夫なのか?」