朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】
「あの、ごめんなさい。そんなこと話させて……」
流夜くんは、いや、と首を横に振った。
「咲桜のせいじゃない。元々こいつのこと、話してなかった俺が悪い」
「全く同意だ。私なんかで恋人様悩ませるなよな」
「てめえが原因なんだよ短絡思考! さっさと海外(そと)でも行って来い!」
「一応まだ中学生だから卒業までは待ってんだよ! 主咲(つかさ)くんから離れる気なんてさらさらないし!」
「おめーらほんと学習しねーな」
ゴチンッ
蹲った。
………。
何度目だろ、この人たち。
龍生さんは、今度は無言でカウンターに戻った。