朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】
「いいの? 女子が嫌なんじゃ?」
「咲桜さんだったらいいですよー。代わりに咲桜姉様って呼んでもいいですか? 流夜兄さんのお嫁さんだから」
「咲桜のが格上みてーだな。いいけどよ」
「流夜兄さんより格下がいると思われてか。どうですか?」
「むしろ――私でいいの? 斎月……にとって、流夜くんて大事なんじゃないですか?」
「大事ですけど、そう簡単に死ぬ人じゃないから。むしろいつまでも恋人作らないでいる方が不安です。咲桜姉様と出逢われてよかったな?」
既に姉様呼び確定だった。
気恥ずかしい気持ちでいると、流夜くんは「当然」と返した。
「でも私、流夜くんが殺人専門て知らなかったんだけど……」
ぴた、と流夜くんが止まった。
斎月は瞬く。
「言ってなかったの?」