朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】


「……普通言えねえだろ。咲桜をこっちに巻き込みたくないし」
 

……やっぱり、そういう風に思っていたんだ。巻き込みたくない、と。


「まあ普通じゃ言えないですよね。私とか流夜兄さんとか、頭おかしい連中ばっかだし」


「そういう意味じゃねえよ。……お前も、華宮(かみや)とか巻き込もうと思わねえだろ」


「あの三人は巻き込もうとしなくても追突してくるからなあ」


「……例えが悪かった。咲桜にはあんまりそういう……話はしたくないと思うんだよ。理由ははっきり言えないんだけど……なんとなく」


「………」
 

あ、この感じ。既視感。


「なんとなくだけどわかるかも。たぶん在義父さんも、そういう風だと思う」
 

私に、仕事の話をしたことがない父さん。


仕事柄、話せないし話したくないのだろう。


「一つ、訊いてもいい?」


「うん?」


「なんですか?」


「二人は――代わりはいないんですね?」

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