朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】
あ、そうですか。と、降渡さんはそこで引いた。
「ご結婚のこと、吹雪さんにはお知らせしたんですか?」
「これからね。今日もここにいれば来るだろうから」
「どんだけ暇だよ」
悪態をつく流夜くんだけど、降渡さんが暇ではないことくらい知っているだろうに。
なんでか降渡さんに対しては態度悪くするんだよなあ、流夜くんて。頭の中でうーんとうなった。
「そう言えば――吹雪さんはご結婚考えるような方いないんですか?」
「ん? あー、吹雪はなー」
「んー、ねー」
二人は曖昧に目線を合わせた。……どういう意味だろ?
「ふゆは兄貴が二人もいるから、ド田舎の天龍出身でも跡取りとかそういうこと気にしてないからさ。気が向いたら結婚すんじゃない?」
「え、お兄さんいるんですか? でも――流夜くんと降渡さんて……」
どちらも警察が関わることを経て天龍で育ったと聞いている。
幼馴染というから、てっきり吹雪も同じような出身かと思っていた。
「吹雪の家族は健在だ。俺らとは少し境遇が違う」