朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】
「まあでも。流夜くんならいいかなーとね。今は私が壁になってるし、下手な真似したら断頭台追い込むし?」
「……在義さんが言うと冗談に聞こえません」
「嘘や冗談じゃねえもんな」
龍さんがさらっとトドメをさした。
「と言うかね、咲桜が流夜くんの誕生日で頭いっぱいになってて自分のこと忘れてるんだよ。流夜くんも咲桜の方は知ってるけど、自分のは忘れてるっていう状況だし」
「……それで咲桜ちゃんが今日、りゅうのとこにいるの許したんですか」
「流夜くんからお願いされてねえ。その前の日には咲桜から土下座されたし。流夜くんの方に釘刺しておけばいいかな、ということだ」
「……在義さん、楽しんでます?」
「どうだろうねぇ」
在義さんの声は愉快そうだ。
「お隣のおねえさん――夜々子さんって、かなり咲桜ちゃんラブみたいですけど、説得出来たんですか?」
「誤魔化した」
「ごまか……」
したのか。