朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】


「もうなんでもどうぞ。あんな恥ずかしい思いさせられて羞恥心とか今ぶっ飛んでるから」
 

ごめんね、と答えて、笑満ちゃんの手を握りなおした。


「もし、俺と咲桜が別の道に進むってなって、笑満ちゃんはどちらかとしか一緒にいけないってなったら、どうする?」


「遙音くんと一緒に行って咲桜とは電話する」


「………」
 

現代的な答えだった。電話……。


……笑満ちゃんから咲桜が切り離せないのは、ようくわかった。それでも、


「俺と一緒に来てくれるんだ?」


「言ったでしょ? あたしは遙音くんと一緒にいたいんだって。そこんとこわかってください」
 

笑満ちゃんに軽く睨まれた。


「ありがと」
 


笑満ちゃんの頬に手を触れさせると、口を真一文字に結んで耳まで紅くなった。


「女の子にされっぱなし、はちょっと悔しいかなー」

< 57 / 295 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop