朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】
「もうなんでもどうぞ。あんな恥ずかしい思いさせられて羞恥心とか今ぶっ飛んでるから」
ごめんね、と答えて、笑満ちゃんの手を握りなおした。
「もし、俺と咲桜が別の道に進むってなって、笑満ちゃんはどちらかとしか一緒にいけないってなったら、どうする?」
「遙音くんと一緒に行って咲桜とは電話する」
「………」
現代的な答えだった。電話……。
……笑満ちゃんから咲桜が切り離せないのは、ようくわかった。それでも、
「俺と一緒に来てくれるんだ?」
「言ったでしょ? あたしは遙音くんと一緒にいたいんだって。そこんとこわかってください」
笑満ちゃんに軽く睨まれた。
「ありがと」
笑満ちゃんの頬に手を触れさせると、口を真一文字に結んで耳まで紅くなった。
「女の子にされっぱなし、はちょっと悔しいかなー」