朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】


「な、なにが?」


「なんだろね? でも、言ったろ? 笑満ちゃんもらうって」


「もら……どこでそんな言葉覚えたの!」


「雲居とか神宮あたりかなー」


「変なこと吹き込まれちゃダメでしょ!」


「変なことかな? 俺が何したいか、わかってるよね?」


「う……」


「笑満ちゃんがやだったらまだしないけど、俺はもうほしい」


「~~~」


「いやだったら逃げて」


「……………逃げられるわけ、ないよ……」
 

小さな答えを聞いて、嬉しさを隠せず微笑んだ。


俺の楽しそうな視線と、笑満ちゃんの恥ずかしそうな視線が絡み合う。


「――ずっと好きだった。笑満ちゃんのこと。だからこれからも、好きでいさせて」


「………あたしも、遙音くんだけが大すきです……」
 

重なった唇のあたたかさ。


繋いだ手は、もう解かれない。

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