ひだまり
トゥルルルル……。

家電なんて幼稚園以外で使うのは久しぶりだ。

彼女の携帯の番号を知らないオレは…

職権乱用で、彼女の番号を手に入れるために

車を走らせて、幼稚園まで出掛けた。

『チャンスは拾え!』

園長の言葉を実行している。

もらった手紙は…返事を求めるものではなかった。

自分の気持ちとお詫び。

ただその中に……オレがどうしても見逃せない一文があったのだ。

『私が落ち込んでいたから』

話せないようなら、無理に聞く気はない。

元気な声が聞けたら……それでいい。

ただどうしても…気になった。

幼稚園が休みの今は……食べずに痩せても分からない。

気にするくらいなら……と

何度も電話をコールするが……誰も出ない。

もしかしてデートかなぁ~?

オレや園長に本当の事を言う必要はないから……

いても、いないと言ったのかも…………。

…………これで最後にしようかな?

18時30分…………再びコールするも……取る気配なし。

受話器を置こうとしたら

「はい、もしもし!!」

慌てた声がした。

………………彼女??……嫌……家族か?

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