ひだまり
結局寝てないのか、赤い目をした彼女。

心配するオレは…ミラー越しにチラチラ確認する。

朝から園バスの日は、早く電話を切ってるのに………。

あの後……何かあった??

会話も弾まない彼女に

「ねぇ~先生。お願いしたいことがあるんだけど。いい?」と尋ねてみた。

今ならオレの下心にきづくこともなく、応じてくれるだろう。

「えっ!!はい。頑張ります!」

仕事だと誤解した彼女に

「お昼ご飯の時に使ってるマグカップが小さすぎて
何度もお茶を取りに行かないといけないんだぁ
面倒くさくて、新しいのにしたいんだけど………
男のオレが、一人でカップ一つを買いに行くのも恥ずかしくて…
もし良かったら、先生が買って来てくれないかな?
大きければ、デザインは先生に任せるから。」と話すと

初めは仕事のことではないとガッカリした彼女も、途中からまた嬉しそうに聞いていた。

「ホントに私でいいんですか?!

今日は2月3日……節分。

後…10日もしたらバレンタイン!!

チョコが欲しいけど……無理にもらっても………意味がない。

義理でいいから……オレを男として意識して欲しい。

チョコを話題に出さないで………。

思いついた!!

それがマグカップ。

カップと一緒に義理チョコをって、考えるかも………。

「先生が良いんだよ。
誕生日会のペンダントのセンスも良かったしね!」

思わず出た本音を……なんとか誤魔化す。

「だったら、週末に妹と買い物に行くので……選んできます。
ただ、プレゼントさせて下さい。
いつも助けてもらってるお礼がしたいので…。」

ヨシ!!

これで1歩チョコに近づいた!

後は……一緒に行く妹さんが………チョコを買いに行くことを願うのみ。

「買いたい物が出来て、ショッピングが楽しみになってきました!」

さっきまでのダルそうな表情がウソのようにご機嫌な彼女。

……………??…………

まぁ!笑顔だからいいかぁ~!
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