誘惑前夜~極あま弁護士の溺愛ルームシェア~

 そして自分勝手な思い出作りのために同居することを継続して、気が付けばこんなことになっている。

(なにもかも自分の弱さが招いたことで……自業自得だ)

 小春の涙腺が、緩む。

 もともと泣き虫なのだ。気を張っていても、ふとした瞬間に、ぽろりと涙がこぼれてしまう。

 小春はゴシゴシと手の甲で目をこすりながら、ダイニングに戻り、スマホでメッセージを返す。

【おはようございます。昨日は私が悪かったのに、ちゃんと謝れなくてごめんなさい。仕事がんばってくださいね】

 小一時間悩んで返せたのは、それだけだった。

 直接顔を合わせていたら、もっと言いたいことを言えたかもしれない。

 閑が帰ってきたら、また話をする機会があるだろうか。

 それとももう、遅いのだろうか。

 小春の胸に、不安ばかりが広がっていった――。



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