誘惑前夜~極あま弁護士の溺愛ルームシェア~

(でも……私と閑さんが……えっ!?)

 彼と初めて体を重ねた夜のことが、脳裏に走馬灯のようによみがえる。

 強引で、セクシーで、でも甘やかで……。
 見たことのない閑を見た一夜だった。

(あれを、もう一度!?)

 心臓がありえない速さでドキドキと跳ね、そのまま破裂しそうだ。

「ど、ど、どうしよう……」

 しばらく呆然と、食堂の真ん中に立ち尽くしていた小春は、ハッとして、あたりをキョロキョロと見回していた。

 閑が飛び出してどのくらい時間が経ったのかわからないが、いつまでもこうしてはいられない。

「あっ、閑さん、お布団って言ってたっけ……!?」

 慌てて二階に駆け上がり、使っていない和室の押し入れから、袋状の収納ケースごと客用布団を引っ張り出した。ドスンと床に落ちると同時に、少しほこりが舞い上がった。

「けほ……っ」

 客間の掃除を最近していなかったことを思いだし、小春はずるずるとケースを引っ張って、自分の部屋へと運ぶ。

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