誘惑前夜~極あま弁護士の溺愛ルームシェア~

「閑さん……」

 笑みがこぼれると同時に、泣きそうになってしまった。

 冗談交じりではあるが、自分を励ましてくれる閑の言葉は、素直に小春の胸に届く。

「だからもう少し、自信をもってほしいな」
「――はい」

 小春は涙をこらえたまま、こっくりとうなずいた。

(自分なんか大したことないなんて、口にするんじゃなかった。今まで本気でそう思っていたけれど、考えを改めなきゃ。閑さんの言葉を信じないで、悲しませるなんて本末転倒よね……)

 誰かに愛されるはずがない。誰かのことを思っていたとしても、自分ひとりの胸の内に、気持ちは閉まっておけばいい。
 そんな考えで生きていた小春にとって、それは少し時間がかかりそうではあるが、閑の真心を知って、改めようと思ったのだった。



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