誘惑前夜~極あま弁護士の溺愛ルームシェア~
閑の甘い声に、胸がぎゅっと締め付けられる。
もちろん許さないわけがない。
恥ずかしくてたまらないが、黙っていては伝わらない。
小春は勇気を振り絞って、閑を見詰めた。
「私、閑さんのこと、本当に大好きです……」
まるで子供のような告白だが、小春にとって好きな人に好きと言えるのは大きな進歩でもある。
それを聞いて「よかった」と、閑は安堵したようにため息を漏らす。
「たぶんさ、クリスマス、例にもれず仕事だけど、なんとか都合をつけて早く帰れるように努力するからね」
「はい」
小春は恥ずかしがりながら、うなずいた。
忙しいことは百も承知だ。仮に帰ってこれなくても仕方ないと思う。
だが、小春のためを思って、努力すると口に出してくれる閑の思いやりが嬉しかった。
「おいしいごはん作って、待ってますね」
「ん……ありがとう。それだけで仕事めちゃくちゃ頑張れそう」
閑は笑って、小春の頬を両手で包み込み、額に口づけた。