誘惑前夜~極あま弁護士の溺愛ルームシェア~
「……え?」
気が付けば、なぜか自分が許される側になっていた。
「それってなんだかおかしいような」
「おかしくない。全然、おかしくないよ」
閑はフフッと笑うと、長いまつ毛を伏せて目を閉じる。
「さぁ、どうぞ」
完全にキス待ち体勢だ。
呆れてしまうが、閑はこういうところがやはりやんちゃ坊主のようで、かわいく思ってしまい、憎めない。
「もう……」
小春は苦笑して、うんと背伸びをして閑の唇にキスをした。即座に閑の腕が小春の腰に回り、体がグッと引き寄せられたかと思ったら、閑が覆いかぶさるようにして、口づけを返してきた。
深く、深く、舌までねじこんで、甘いキスに、クラクラとめまいがしてくる。
「んっ……はっ……」
小春が息を吸うと、閑は優しく小春の頬に手を乗せ、ささやく。
「さっきの。俺と過ごせるだけで嬉しいって言った小春が可愛くて、死にそうで、我慢できなくなったから、抱きしめたくなった。わざと驚かそうと思ったわけじゃないんだ。だから嫌わないでくれたら嬉しい……」