誘惑前夜~極あま弁護士の溺愛ルームシェア~

「それは純粋に弁護士の経験からだよ。離婚訴訟は一番多く扱うからね。子供がいると、こういうことは起こり得る。だから小春に、お父さんが会っている相手を自分に隠してるって聞いて、すぐにピンと来たんだ。ああ、わざとらしいなーって。お父さんは嘘が付けない人なんだね。隠している相手は、小春に知られたくない相手だってすぐにわかった。だから大将に連絡して、そこから平田さんに事情を話して……。彼は君のお兄ちゃん代わりだし、なにか知ってると思ったし……」

 閑はそう言って、どこかつまらなさそうに唇を尖らせる。

「まぁ、小春が泣かされてるって勘違いしたときのことを思いだすと、ちょっと恥ずかしかったけど」

 その顔を見て、小春はクスッと笑う。

(もしかしてお兄ちゃんになにか言われたかな……?)

 だが尋ねたところで教えてはくれなさそうだ。いつか虎太郎に尋ねてみようと思いながら、閑の精悍でシャープな頬に手を乗せた。

「あの……なにからなにまで、ありがとうございます。槇先生にもお礼を言わないと……お休み取ったんでしょう?」

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