天使の扉
夕飯のあと、お風呂につかりながら綾音は考えていた。

記憶を共有するだけでは、父を男性とみるなんて考えてもみなかった。
そりゃ、父は好きだけど、お父さんだったからだと思っていたから。
でも、もしかしたらずっと前から父を男として好きだったのかもしれない…だって学校の男子には興味が持てなかったから。どんなにかっこいいと周りが騒いでいても父よりも魅力を感じなかった。
かをりと記憶を共有して父の若いころのことを考えるとなんとなく納得できた。
だって、かっこいいもん。

何だかすべてが納得できた気がした。




…綾音…

気が付くともやの中、自分の前にロングヘア―の女の子が立っていた。

この顔、知ってる。かをりだ。

さらさらのストレートのロングヘアー。ちょっと自慢だった。

「ごめんね」

かをりが言った。

「どうして?」

「夢を止められなかった。だから共有した方がいいと思ったの」

「うん、楽になったよ」

「よかった」

そう言ってかをりは微笑んだ。



目を覚ますと綾音は今の夢を思い出していた。

そう、かをりはそういう子。どうやったら傷つけないか考えて自分が委縮しちゃう子。
だからいじめが始まったと感じたときに母にまず謝罪したんだ。
でも先生のときだけは違った。
先生を誰にも渡したくない。そう強く思って行動していた。

その思い、今なら分かる。

先生はお母さん以外の人と仲良くするのは許さない。

綾音は父を先生と呼び始めていることに気付いていなかった。
< 14 / 14 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

超現象管理人  風使い編

総文字数/5,501

ファンタジー12ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
風を自由に扱える高露。 そんな彼を「スカウト」したのは佳伊。 彼は何者なのか……? 自由奔放、言いたい放題、横柄な態度の高露。 でも…… 世界で一番大切にしている彼女「莎羅」が思わぬ災いに巻き込まれ、すがる思いで佳伊に連絡するが…… 超現象管理人のお話です。
超現象管理人 パイロキネシス編

総文字数/10,396

ファンタジー16ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
パイロキネシスをご存知だろうか? 発火する能力のある者のことをいう。 ただ、うまく使えないと火なので大変なことになる。。。
隼 ASPHODEL-5編

総文字数/14,234

ファンタジー30ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
頭脳集団「隼」 「超現象管理人」の総帥でもある佳伊が集めた頭脳集団。 少々「クセ」のある者たちは隼が居心地良く、上下関係に不平不満を言う者はいなかった。 全員が「地位は人を駄目にする」という変わり者ばかりだったのだ。 世界的に問題になっている病気等を治療している。 しかし、一方で遺伝子操作されたり、クローニング処理された有機生命体や疑似生命体を作りだしているのもこの組織である。 世界でもトップクラスの集団だが、一般には知られていない。 彼らはそのIQで数々の難題を解決していく──

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop