キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
カエデの前に置かれたマイクを持ち、ノリの良い曲を選択してスピーカーからは新曲が流れ出た。

私はその曲に合わせて無理矢理テンションを上げ、今日の出来事を吐き出すかの様に歌いまくる。


カエデとツバキはマラカスを持ち、盛り上げてくれる。けれどやっぱり納得が行かないのか、何か思うところがあるのかサクラだけは複雑な表情。


一曲歌い上げ、今度はツバキの番。
カエデが歌うバラードを聞きながら、そっとサクラの横に腰掛けた。


「サクラ、まだ考えてるの?」


ツバキの歌を邪魔しないよう、小さな声でサクラの耳元に話し掛ける。


「うん……、だってアズサにとったら一大事じゃん?陽亮君が何を考えるのかはわからないけど、アズサに関係してる事だから真剣に考えなきゃって……」


サクラ‼
あんたって子はなんていい子なんだ‼‼


「ありがと、サクラ‼」


ヒシッとサクラに抱き着きながら、サクラに感謝の言葉を行動と共に表す。

さっきまではアホ二人(カエデとツバキ)と一緒になって面白がってたからサクラも同類かと思ってたけど、やっぱりサクラだけは違ったんだね。
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