キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
駅に降りると、ここまで漂って来る潮の香りに包まれた。

所々にあるR海岸への道を印す看板を頼りに、暑くジリジリという音が聞こえそうなアスファルトの上を歩く。



10分も歩くと、目の前に広がる海が見えて来た。


「わ~、海だぁ‼」


海に来てるんだから海が見えて当たり前なんだけど、地元に海の無い私達にはプチ感動。暑さも忘れ小走りで海へとまっしぐらな子供の様な私達。

砂浜に着くと、すでに海水浴客で辺り一面ひしめいている。


隅っこに設けられた脱衣所を見付け、身動きの取れないくらいの人を掻き分け着替えを始める。

私も買ったばかりの真っ白な水着をカバンから取り出し、タオルで肌を隠し着替えようとした時。


「アズサってばタオルで隠さなくても誰も見てないって」


カエデの言葉で振り向くと、カエデは真っ裸。


「カエデッ‼何やってるの?」

「何って着替え。見てわかんない?」

「そーゆー事じゃなくって‼‼隠そうよ、恥じらおうよ」


見ててこっちが恥ずかしくなる。女性専用更衣室って言っても普通は隠すでしょ。
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