星空の下で
「だから、私たちの思いは同じだったんだよ」

 一度、大きく息を吸う。

「私も、月島くんが好きです。高校のときからずっと。今でもあなたが好きです」

 言った瞬間、月島の胸に引き寄せられた。

 月島の心臓の鼓動が聞こえる。

 それは私と同じくらい早くて。

「二人ともお互いの気持ちに気づかなかったんだね」

「そうだな。でも、今だからこそ、伝わる思いなんだな」

「あの当時だったら、告白されても、受け入れられなかったと思う」

「俺もそうだろうな」



 今日は七夕。

 1年に1度だけ、会うことを許された彦星と織姫の物語。

 そんな日に出会うとは、偶然の出来事か。



「明日、よかったら、一緒に七夕まつりを見にいかないか?」

「明日は、友達と一緒に見る約束があって」

「友達って、あのときのメンバー?」

「そうだけど」

「じゃあ、俺もあいつらに連絡とってみるよ」

 そう言って、目の前で、携帯で電話を掛けだした。

「大丈夫だってさ。久しぶりに会いたいって、言っているし。待ち合わせの時間と場所はあとで連絡するって言っておいたからさ」
< 6 / 7 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop